衆院岩手1区の野党共闘見通せず 立民分裂、共産が新人擁立

 次期衆院選岩手1区の対応を巡り、「野党共闘の源流」を自任する岩手の野党が揺れている。立憲民主党系の候補者同士による分裂選挙の可能性が高まり、既に新人擁立を決めた共産党も譲る考えはない。県組織間の協議は平行線をたどり、先行きは見通せない。

立民、共産、社民の県組織幹部による実務者会議=1日、盛岡市

 立民県連は8月、1区に新人のフリーアナウンサー佐野利恵氏(31)の擁立を決めた。県連代表の小沢一郎氏(79)と確執がある現職階猛氏(54)に刺客を送った格好だが、党本部は候補者の一本化に及び腰だ。

 岩手の野党は2016年以来、共闘態勢を敷き2度の参院選、知事選で連勝してきた。立民県連は佐野氏を1区の統一候補に押し上げ、自民現職高橋比奈子氏(63)=比例東北=との戦いにしようともくろむ。

 これに対し、共産党県委員会は県内3選挙区のうち1区だけに候補者を立て、2、3区は立民の支援に回るという算段をしてきた。昨年8月に擁立を決めた新人の吉田恭子氏(40)の取り下げには応じない構え。

 衆院選対応を協議する立民、共産、社民3党の実務者会議が今月1日、盛岡市であった。共産党県委員会の斉藤信副委員長は、吉田氏の1年間の活動実績を挙げ「統一候補にふさわしい」と強調、立民県連に再考を促したという。終了後「(佐野氏は)納得できる候補者ではない。しかも擁立を正式に聞いたのは発表会見後だ」と不満を隠さなかった。

 社民県連の照井省三幹事長も「支持者から『野党統一候補は誰か』と尋ねられても答えられない。すっきり一本化してほしい」と気をもむ。

野党協議の行方、3区にも影響

 立民党本部から原則として公認候補となる総支部長に選任されている階氏も、3党の県組織から協力を得るのは難しい。昨年10月から政治資金を巡って立民県連と係争中で、一連の選挙で野党共闘に加わってこなかったことも尾を引く。共産関係者は「階氏は駄目」と敵視する。

 その階氏は地道な街頭演説や動画配信に取り組み、支持拡大に余念がない。県連が佐野氏擁立を発表した際は「国政課題の解決に注力し、政党への期待と信頼を高めていきます」との談話を出すなど、気に留めるそぶりは見せない。 1区の野党協議の行方次第で、3区にも影響が出そうだ。小沢氏は17年衆院選で野党共闘候補として、自民現職の藤原崇氏(38)=比例東北=に約3万4000票の差をつけ17選した。

 結果だけを見れば「完勝」だったが、共産が14年衆院選で獲得した票は、区割り変更前の旧4区の一部を含め約3万3000。立民県連幹部は「仮に共産が離れたら厳しい選挙になる」と漏らす。

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