河北抄(9/17):しばらく前の夕刊に、このコロナ禍で和ろう…

 しばらく前の夕刊に、このコロナ禍で和ろうそくが注目されているという記事が載っていた。優しい光が安らぎを与えてくれるのだそうだ。「そういえば、うちにもあったな」と思い出した。

 あるイベントの会場に新潟県の和ろうそく店が出店していた。女性の職人さんがいて「お好きな花の絵を描きますよ」と言う。見る間に、さらさらと花の絵をろうそくに描いてくれた。

 「越後は雪が多く、冬は花がないでしょう。それで、ろうそくに花を描いて仏壇に供えるようになった。そう伝わっています」と職人さん。そうか、絵ろうそくは、花のない冬の花だったのだ。

 石油系のパラフィンが原料の洋ろうそくとは違い、和ろうそくは自然素材。ろうはハゼノキの実を使い、芯は和紙とイグサ。油煙が少なく、揺らめく炎が美しい。ただし、価格は洋より和が高い。

 しまい込んでいたのを取り出してはみたものの、美しい絵ろうそくを燃やすのは忍びない。コロナ禍のストレスを癒やされたい、いや、もったいない-。なかなか点灯の決心がつかないままだ。

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