(69)月死ねよ罐のまはりの罐の群/跡部 祐三郎(1944年~)
萩原朔太郎の「悲しい月夜」(『月に吠える』)は「なぜおれはこれなんだ、犬よ、青白いふしあはせの犬よ」と、月に絶叫する。この句の世界観も似ている。畑のドラム缶を照らす見事な月だが、ドラム缶はいくら月に…
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- ・(68)おぶさつてすすきぶつぶつ芒(すすき)にいふ/森川 光郎(1926年~)
- ・(67)月光のまぶしき部屋に帰りきし/名取 里美(1961年~)
- ・(66)ふんふんと小さき茸出てきたる/対中 いずみ(1956年~)
- ・(65)をかしいから笑ふよ風の歩兵達/鈴木 六林男(1919~2004年)
- ・(64)彗星にふるさとのあり芋の露/大河原 真青(1950年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。