河北抄(9/24):「お後がよろしいようで」と頭を下げた途端…

 「お後がよろしいようで」と頭を下げた途端に客席から掛け声が飛ぶ。「待ってました」。これはどうも具合が悪い。

 まるで間の抜けた寄席のようだと思ったのは、最近の世論調査で支持率が跳ね上がった菅義偉政権と自民党だ。退屈した客が下げを待ちわびる落語。演説や記者会見では例がないほどウケた退陣劇。どちらも何だかやるせない。

 不人気の最大の原因は、やはり新型コロナウイルスの感染拡大だったに違いない。思えば、特有の難しさもあった。

 打ち出した政策が正解かどうかは、すぐに新規感染者などの数字に表れる。「今回が最後」の緊急事態宣言が延長されたり、繰り返されたりすれば、それも不正解。誰の目にもごまかしが利かない。

 これが安倍晋三政権の場合は「一億総活躍」とか「人づくり革命」とか、結果を確かめにくいスローガンを次々と打ち出し、「やってる感」を演出できたが、そんな手法が通用しなくなった。

 自民党総裁選は投開票まであと5日。「お後」の登場には気持ち良く、「待ってました」と言ってみたいものだが。

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