【動画】笑ったとき、咳したときに思わず… 尿漏れ、一人で悩まずに

 笑ったときや咳(せき)をしたとき、尿漏れした経験はないだろうか? 誰にも言えず、悩む女性は少なくない。女性専門の泌尿器科外来を設ける磐城中央病院(福島県いわき市)の野村昌良医師(53)に、原因や治療法を聞いた。尿漏れを軽減させるトレーニングを、宮城県岩沼市のトレーナー関本咲子さん(44)に紹介してもらう。
(生活文化部・越中谷郁子)

成人女性の2人に1人が経験

 「尿漏れは、誰にでも起こり得る」と野村医師は言う。家庭用品大手のP&Gジャパンが女性4万人を対象に行ったインターネット調査(2019年)では、20代以上の2人に1人以上に尿漏れの経験があった。

 タイプは大きく分けて、腹圧性と切迫性の二つ。腹圧性は、くしゃみや咳のほか、重たい荷物を持ったときなどに漏れる。野村医師は「子宮や膀胱(ぼうこう)、尿道を支える骨盤底筋が衰え、尿道を支えきれなくなると、おなかに力が入ったときに、膀胱が圧迫されて漏れてしまう」と説明する。最近は、人を抱えることの多い介護従事者からの相談が多いという。

 切迫性は、水の音を聞いたり冷たい物に触ったりすると、自分の意思とは無関係に膀胱が収縮し、急に我慢できないほど尿意を感じて漏れる。膀胱の神経が過敏だったり筋肉が硬かったりすることが要因だ。膀胱の筋肉の伸びが悪いと、少量の尿で尿意を感じて頻尿になり、尿漏れにつながる。

「腹圧性」か「切迫性」か

 野村医師によると、患者は腹圧性の方が多い。「出産すると骨盤底筋が傷つき、発症リスクが高まる。ある程度は自然に回復するが、加齢により症状が出やすくなる」と話す。閉経後、女性ホルモンが減少し骨盤底筋が衰えることもある。出産経験のない若年層の尿漏れは、切迫性が多いと考えられるという。

 腹圧性の場合、治療薬はない。骨盤底筋を鍛える体操に取り組み、効かないときは尿道をテープで固定する手術が有効。10~15分ほどで済む。切迫性の場合は、薬による治療が一般的。膀胱に直接、神経の働きをブロックする薬を注射する治療法もある。

 野村医師は(1)どんなときに尿漏れするか把握する(2)自分の状況に応じてトイレの行き方を工夫する-ことを勧める。「行動を変えることが、尿漏れ防止の一番の近道。でも、臓器が下垂して膣(ちつ)から飛び出る『臓器脱』が隠れている場合もある。生活に支障があるなら受診してほしい」とアドバイスする。

 磐城中央病院は原則、毎月第4週に「ウロギネ・女性排尿機能外来」を開設する。ウロギネは英語の泌尿器科「ウロロジー」と婦人科「ギネコロジー」を合わせた造語。野村医師ら専門医2人体制で診察し、無料で電話相談0246(24)0291にも応じる。

骨盤底筋のトレーニングを記者も体験

 産婦人科医が提唱する骨盤底筋トレーニングヨガなどを学んだ関本咲子さんは、「OMT(おまた)トレーナー」と称し、腹圧性の尿漏れ軽減法を広めている。お薦めはイラストの通り。股に意識を集中して動かすことが大切だ。

 「バスタオルを股に当てることで、骨盤底筋に意識が向く。内股やお尻の筋肉を鍛えれば、骨盤底筋と合わせて膀胱や尿道を支えることができ、尿漏れしにくくなる。姿勢も良くなる」と解説する。ただし、出産後間もない人や肛門などに疾患がある人、上に座って痛みがある人はタオルの使用を控える。

 記者もやってみた。尿道と膣、肛門を締めるのは、簡単そうで実は難しい。締め続けるのは2秒が限界だった。「締めるときは、おなかとお尻に力を入れず、息を吐くこと。3秒間維持できるように、まず3カ月続けよう」

 関本さん自身、第2子を出産後、尿漏れに悩み外出がおっくうになった。「人生100年。尿漏れを心配して楽しく生きることを諦めないで」と力を込める。

 関本さんは10月、岩沼市で骨盤底筋エクササイズ専門コースを開講する。完全予約制で、マンツーマンで指導する。連絡先は050(3479)1169。

尿漏れ軽減トレーニング
河北新報のメルマガ登録はこちら
+W 共に生きる

 「+W」のWには「We」「With」「Woman」「Work」「Worth」などの意味を込めています。暮らし、仕事、ジェンダーなど幅広い話題を取り上げ、多様な価値観が尊重される共生社会の実現を目指します。


企画特集

先頭に戻る