(76)霧の夜のわが身に近く馬歩む/金子 兜太(1919~2018年)
霧のベールは街や人を覆い、その存在を神秘的なものにさせます。私のそばには馬がいますが、私が馬を引いているのか、ただ寄り添い歩いているだけなのかは示されていません。目からの情報を遮断された中では、馬の…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。