台風19号被害の大郷・粕川地区 新堤防整備と宅地造成着工

胴突きの儀式をする田中町長(左から4人目)ら

 2019年10月の台風19号豪雨により、吉田川の堤防が決壊し、多くの家屋が流失するなどした宮城県大郷町粕川地区で新しい堤防と被災者向け宅地などを整備する工事が始まり、町と東北地方整備局北上川下流河川事務所が26日、現地で合同着工式を開いた。

 関係者約50人が出席。田中学町長は「次世代に尊敬される事業を実施していきたい」とあいさつ。同局の国友優河川部長は「早期に治水効果を発揮できるよう事業を進めたい」と述べた。地固めをする胴突きの儀式もあった。

 国が設ける新堤防は高さ約6メートル、長さ約330メートル。幅は底部約42メートル、上部約10メートル。上部の幅は現堤防の2倍となり、一部を町が避難路として整備する予定。

 川側の表面をコンクリートブロックで覆うなどして補強。川幅を広げ洪水のリスクを軽減するため、一部を現堤防から北東に最大約80メートル移す。総事業費は約23億円。2023年度中の完成を目指す。

 宅地などの用地は、新堤防に隣接する約2万1000平方メートル。町が事業主体となり、現状より約1メートルかさ上げし、防災避難緑地やコミュニティーセンターと合わせ24年度までに工事を終える見通し。

 総事業費は約13億円となる見込み。21年度は宅地7区画と寺院の敷地など約5100平方メートルを造成する。

 粕川地区の吉田川堤防は台風19号豪雨に伴う増水により、約100メートルにわたり決壊。地区で住戸40棟が全壊するなど110棟が流失、浸水し、町全体で211棟が被害に遭った。

 中粕川区長を務める赤間正さん(70)は「一日でも早く完成し、地元を離れた方々が笑顔で戻ってきてくれることが悲願だ」と話した。

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