<アングル岩手>二戸・浄法寺漆 伝統 若手が支える

<守る>ウルシが植林された二戸市白鳥の山林。木を傷めないよう、同じ木から漆を採るのは5日に1度ほどだという=14日

 国産漆の約75%を占める、二戸市の「浄法寺漆」。樹液を採取する漆かきの作業が夏の最盛期を終えた。今シーズンは約40人の漆かき職人が携わり、1.7トンの出荷を見込む。

 漆技術は昨年12月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。漆器の塗装や国宝をはじめとする文化財の修復に使われているが、職人の高齢化が進み、後継者不足が課題となってきた。

 漆の生産から加工までを担える人材を育てようと、市は2016年から地域おこし協力隊「うるしびと」を募集。技術を習得し、地域に定着する若者も出始めた。

 昨夏、うるしびとに就任した秋本風香さん(23)は東京都から移住し、漆かきを学ぶ。「日本のものづくりを支えたい」。そう決意し、木々に向き合う。(盛岡総局・石沢成美)

<削る>漆かき用の特殊なかんなで木を削る秋本さん。下部にはこれまで削った跡が刻まれている
<滴る>木の皮を削り取ると、白い樹液が流れ出てくる。1本の木から1日で採れるのはわずか20グラムほど
<絞る>顔料を混ぜてろ過すると、漆器の塗りに使う漆となる。ろ過の回数は職人が漆に応じて変えている=滴生舎
<塗る>漆製品を加工、販売する二戸市浄法寺町の滴生舎。塗師の橋本愛子さん(37)は「漆は生き物。採った人によって性質が変わる」と話す=10日

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