(80)新北風(ミーニシ)や太古の呪文が目覚めゆく/おおしろ 房(1955年~)

 新北風(ミーニシ)は沖縄に10月ごろ吹く風。これが吹くと沖縄の夏も終わり秋の訪れを感じるという。土地土地の気候や風土や文化によって特殊な「地貌(ちぼう)季語」があると宮坂静生氏は提唱しているが、これもその一つ。沖縄本島の東の海に浮かぶ久高島(くだかじま)には、琉球王朝よりはるか昔から守護神信仰があり、今日まで女性主体の祭祀(さいし)が継承されているという。太古の呪文は、私たち現代人の奥底にも眠っている。土地特有の風によって、それは目を覚ますのだ。句集『霊力(セジ)の微粒子』より。(永瀬十悟)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


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