デスク日誌(10/5):もぞくる

 「もぞくる」

 この言葉、もちろん標準語だとは思っていなかったが、正統な方言でもなかったようで、完全に自分だけで使っていた。

 動詞で、一人でごそごそ何かをし始める感じ。特に夜な夜な冷蔵庫などを物色し、酒のつまみを作り始めるような状況がぴったりで、「また、もぞくって…」などと使う。記憶の中では、亡くなった父親が、酒を飲んだ後にまた何か食べたくなって、台所に立っていた光景が浮かんでくる。

 この言葉に夜のイメージがあるのは、理由がある。「もぞ」は地元秋田の方言で寝言の意味で、「もぞこく」は、寝言を言う。また、新潟などでは「もぞ食い」は、酔っぱらって大食いをしてしまうことだそうで、この辺りが語源か。「映える」などのように造語してしまったのだろうか、使っている自分でも謎だ。

 新聞では、方言などに標準語を併記することがある。「もぞくる」は注釈が長くなりそうだが、逆に、次の例文のように、短い文章で状況を説明できる。

 「コロナで外で飲むことがなくなった。勤務明けの深夜、家で、もぞくる機会がめっぽう増えている」
(整理部次長 大場隆由)

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