(83)星飛んで巨(おお)きな墓に王ひとり/津川 絵理子(1968年~)

 描かれているのは壮大な時間と空間。古代文明の消滅には諸説あるが、疫病はその一つ。現代文明はどうか。新型コロナウイルスは、医療技術の進歩した現代でもパンデミックが起こってしまうことを知らしめた。また原発は制御できない事故を起こすことを露呈した。さらに怖いのは、現代の孤介な王が核のボタンを押してしまうことがないかということ。流星はロマンを呼び起こすが、われわれは巨大な墓が驕(おご)りの遺物であることも知っている。句集『夜の水平線』より。(永瀬十悟)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


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