【特集】小さな書店放浪記 vol.3 冠文堂書店

 ネット書店が普及する中、独自の品ぞろえや地域に根差した活動で存在感を発揮し、営業を続ける書店がある。店舗は小さくても味わいは深い。そんな仙台市内の書店を訪ねた。

夫婦で52年 広がる人の輪

 七北田川近くにある冠文堂書店は、店主の小野忠敏さん(写真中央)が脱サラして1969年に営業を始めた「町の本屋さん」。七北田川の別名・冠(かむり)川にちなんで名付けた。

 インターネットによる通信販売が普及し、店舗の売り上げが減る中で、新聞の書評を基に顧客の好みの本をそろえるなどの努力は惜しまない。忠敏さんが体調を崩したため、息子と妻のしづ子さん(同左)が理髪店や病院に雑誌を配達するなどして店を支える。

 夫婦で大切にしてきたのが「地域とのつながり」だ。コロナ禍で中断しているが、子どもを集めた絵本の読み聞かせや、「かんぶんどう通信」と題したフリーペーパーの発行を毎月続けてきた。

 こんな冠文堂書店に、東北大2年の小林千夏さん(同右)が訪ねてきたのは1年だった昨年秋。「個人経営の書店と地域とのかかわりを知りたかった」と小林さん。突然の訪問だったが、しづ子さんは丁寧に対応。小林さんは2回にわたる取材結果を授業で提出するレポートにまとめた。「地域の人たちと店に深いつながりがある。関係性は簡単には崩れないだろう」。小林さんはレポートをこう締めくくった。

仙台市宮城野区福田町1-7-29 
TEL022-258-3502
営/10:00~18:30 休/日曜

(河北ウイークリーせんだい 2021年10月7日号掲載)

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