河北春秋(10/9):政治の世界の「奇手」は狙いがぴたりとは…

 政治の世界の「奇手」は狙いがぴたりとはまらないと始末が悪い。十数年前、宮城県教委が決めた県立学校の男女共学化に当時の仙台市長が「県教育史に残る汚点」と言い出した▼けんかを売られた県教委。「慎重に議論した。汚点と言われる筋合いはない」とやり返した。市長はさらに奇手を打つ。県教委に出された「共学化の凍結請願」を巡り教育委員に採択を求める手紙を出したのだ▼わざわざ教育長の自宅を訪ねたので周囲はびっくり。「越権」「政治介入」との批判に本人は「多くの県民、市民の思いを代弁している」と、どこ吹く風。とんだ騒動になった▼奇手といえば宮城県知事選の日程に関する村井嘉浩知事の発言。「衆院選と同日選になるよう県選管は努力を」と独立機関に越権とも取れる「指示」を発した。選管は11月で構えたが、永田町から「衆院選は10月31日」という想定外の奇手。結局、投票率アップが見込めるメリットが優先され前倒しに。告示は5日後▼教育史の汚点と断言した市長。あのとき村井知事は「内容は別にして大いに結構」といなした。共学化も「県教委が考えるべき問題。言及は差し控える」と大人の対応。単純比較はできないが、選管への注文は誰の目にも明らか。奇手と大人の対応。なかなか難しい。

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