デスク日誌(10/9):より弱い方へ

 休日の朝、星占いに「地元の歴史に触れてみると吉」とあった。素直に従って盛岡市のもりおか歴史文化館に向かい、企画展「江戸へ 盛岡藩の参勤交代」を見てきた。

 盛岡から江戸まで139里(約550キロ)の道のりを約2週間かけて歩き、将軍に忠誠を誓う。新幹線だと2時間ちょっとで到着する現代から考えると、その苦労がしのばれる。

 参勤交代で水陸交通、宿場町の整備は進んだが、地方の大名は巨額の出費に苦しんだ。山林や原野が多い盛岡藩にあって、コメの生産力は低い。それなのに凶作のたび、藩財政の立て直しと称した賦課が繰り返されたという。負担のしわ寄せはより弱い方へと向かったが、我慢には限界がある。各地で一揆が勃発したのは当然だろう。

 地方から東京に人と財を吸い上げる統治構造は現在も変わらない。総務相を経験した2人を含む4人が立候補した自民党総裁選だったが、地方政策の論戦は物足りなく感じた。

 間もなく衆院選が実施される。権力を欲する人間が何をどう行使しようとしているのか、地方からの視点で見極めたい。(盛岡総局長 今野忠憲)

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