「百貨店画廊」山形に復活 元外商部長、市中心部に開設

 2018年1月に閉店した山形市の百貨店「十字屋山形店」の元外商部長が、市内の別の百貨店だったビルにギャラリーを開設した。当時取引のあった美術関係者の協力を得て、全国の絵画や宝飾品などの展示、販売を行う。昨年1月の「大沼」旧山形本店の閉店で、山形県から百貨店が姿を消した。失われた文化を形を変えて再興させ、中心市街地のにぎわい再生を後押しする。

 店名は「ギャラリー・ナナビーンズ」。山形市七日町にある複合商業ビル「ナナビーンズ」1階のうち計約110平方メートルに9月3日、オープンした。ビルは2000年に閉店するまでは百貨店「山形松坂屋」だった。

 ギャラリーのマネジャーを務める大類敏彦さん(61)は十字屋山形店に約30年勤め、うち15年ほどは外商部長として展示会などの催事を担った。閉店後は取引先だった画商らを大沼に紹介していたが、再び拠点を失った。

 尾花沢市出身の大類さんは「画商や作家は百貨店のブランドを信頼し出展してくれた。百貨店の消滅によって地元で展示できないのは寂しく、長年培った取引先との人脈を生かしたい」と一念発起。十字屋で同僚だった新海秀幸さん(60)を誘い、ビル運営会社の協力も得て願いをかなえた。

 大類さんは「以前のなじみのお客にも足を運んでもらっており、百貨店で働いた経験は私の財産となった。縁あって旧山形松坂屋でギャラリーを運営できるのも感慨深い」と喜ぶ。

 13日まで東北大出身の鉄道風景画家松本忠さん(48)=さいたま市=の絵画展を開催。ゆかりの深い東北各地を描いた作品など約50点を展示、販売している。

 今後も、全国のさまざまな美術品や東北芸術工科大の学生ら地元作家による作品を積極的に展示する考え。「地元だけでなく、仙台圏などからも気軽に訪れて楽しんでもらえる拠点にしたい」と夢を描く。

 営業時間は基本的に午前10~午後6時。木曜定休。連絡先は大類さん090(2604)6000。

旧百貨店ビルに開設したギャラリーに鉄道風景画を展示する大類さん(左)と新海さん

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