河北春秋(10/10):南アフリカで人種融和に尽力した故マンデラ…

 南アフリカで人種融和に尽力した故マンデラ元大統領は自国を「虹の国」と呼んだ。虹は多人種共存の象徴だった。近年、虹はLGBTなど多様な性の象徴として広まってきた。他にも東日本大震災の復興など、虹はさまざまなシンボルになっている▼きょうまで仙台市青葉区のSARPで開催中のグループ展「アンデパンダン展」に虹を描いた大皿が出品されている。宮城県柴田町の陶芸家ジェームス・オペさん(62)制作の「wish」という作品。躍動する二つの虹に、コロナ禍が収束し、皆で食事できるようにとの願いを込めた▼ロンドン出身のオペさんが東京や福島県浪江町で修業後、柴田町に工房「雷(いかずち)窯」を構えたのが1991年。長年、虹色を特徴にする食器を作り続けてきた。「違う国の人たち、違う個性の人たちが一緒になれば美しいことができる」。そんな思いを表現する▼創作活動の傍ら陶芸教室を開く。趣味を楽しむ人、仕事でストレスを抱えた人、定年後の生きがいを求める人ら、さまざまな人が集う。生徒は家族のような存在という▼開窯から30年。震災などで苦労したが、今は幸せな人生だと感じる。「器を買ったり、教室に通ったりしてくれた人たちのおかげ。何か恩返しをしたい」。感謝の気持ちを胸に制作を続ける。(2021・10・10)

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