子どもの近視進む、11歳の半数1.0未満 眼科医「1日2時間は日光下で」

デザイン性と機能性を兼ね備えた子ども用眼鏡フレーム 

 小学生の視力低下に歯止めがかからない。文部科学省の2020年度学校保健統計調査によると、裸眼視力が1・0未満の11歳は49・47%だった。1980年度は23・87%。目の悪い小学校高学年は2人に1人にまで増えた。主な原因は近視と考えられる。10日の目の愛護デーを前に、日本眼科医会常任理事を務めるかとう眼科医院(宮城県大和町)の加藤圭一院長(58)に、子どもの近視について話を聞いた。
(生活文化部・矢嶋哲也)

「進行予防」に留意、端末見続けないで

 -小学生の視力低下が目立ち、近視が増えている要因を教えてください。

 「現代は世界中で近視が爆発的に増えています。日本を含むアジア系の民族は遺伝的に近視が多いのですが、急激な増加には環境要因が大きく作用していると思われます」

 「子どもの近視が進行するのは一般に高校入学くらいまでです。治療法は確立されておらず、遺伝的要因は避けられないため、適切な生活による『進行予防』が必要です」

 -具体的な進行予防策を教えてください。

 「近視の進行抑制には1000~3000ルクス以上の明るさでの生活が大切と言われています。部屋の照明は数百ルクスくらい。屋外では曇天や木陰でも3000ルクスくらいの明るさがあります。1日2時間は日の光の下で生活し、外出が難しければ、なるべく外光を感じる場所で過ごしましょう」

 「スマートフォンや携帯ゲーム機は、本に比べ目との距離が近くなります。あまり近距離で見続けると、両目で物を立体的に見られなくなったり、近視が進みやすくなったりします。手で持つタイプのデジタル端末はなるべく使わないようにして、ゲームや動画はテレビを利用して見ましょう」

 「日本眼科医会は、近くを30分見たら遠くを20秒以上見るなど、デジタル端末を利用する子ども向けの啓発漫画『ギガっこデジたん!』をホームページで公開しています。そちらもご覧ください」

 -子どもの近視を早期発見するには?
 「自分で『目が見えない』と訴える近視の子はまずいません。年1度の学校健診で、1・0未満の判定が出た場合は医療機関を受診してください。視力が悪いと、授業の理解度が下がり、学校で自分からあいさつできない、愛想が悪いと思われるなどのデメリットもあります。強度の近視は将来、病気で中途失明するリスクも高くなります」

 -今年初めて、文科省による全国近視実態調査が行われました。

 「日本では、どのくらい近視の子がいるのか分かっていませんでした。視力や度数、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)を測り、生活習慣などの調査をひも付けして結果を出します。宮城県でも富谷市の小中学校3校で実施しました。結果により、子どもたちの生活実態に基づいた近視の進行予防の指導が可能になると期待されています」

「高校生くらいまでは近視の進行予防に注意した生活が必要」と話す加藤医師

子ども用の眼鏡多彩、レンズは安価で可

 学校の視力検査などで子どもの視力低下が分かったら、眼科を受診し、眼鏡などで矯正する必要があるかもしれない。最近は子ども用の眼鏡も多彩になり、安全性やデザイン性に優れた製品が増えているという。

 「デザインがかわいかったり、軽くて柔軟性があるなど機能性に優れていたり、カラーバリエーションも豊富になっています」。メガネの相沢本店(仙台市青葉区)の伊藤純一郎店長(51)が説明する。

 元気な子どもたちが使う眼鏡フレームの多くは、衝撃などを受けにくい作りになっている。つるの先は丸く曲がって耳をしっかりホールド。金属を一切使わず、弾力性のある樹脂でできた製品もある。

 「子どもは短期間で視力が変わる可能性があるので、コンタクトレンズより眼鏡がお薦めです。メンテナンスは大人より頻繁に、3カ月に1度程度行うといいでしょう」と伊藤さん。

 店では、フレームは1万円台前半から、レンズは1組2200円からそろえている。レンズは視力変化に応じ、3カ月~1年程度で換える場合が多く、安価なもので構わないという。

 子どもたちは、眼鏡と長い付き合いになる可能性が高い。伊藤さんは「親御さんや本人の希望、特性や年齢に応じ、しっかりした製品を選び、快適に過ごせる眼鏡を作るため、信頼できる店に相談してください」とアドバイスする。

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