(90)野にわれが最も高し秋の風/奥坂 まや(1950年~)

 遮るもののない一面の秋の野原。そこにすくっと立つ人間の姿。気分としては昔のたばこのCMのカウボーイ、いや和風に言えば木枯し紋次郎的なカッコよさ。秋の風は金風と言うが、ススキの原の銀色も一層映えているだろう。別に冒険活劇のあとの戦士の休息というわけではない。普通の人がただ突っ立っている。それだけのことなのに「野にわれが最も高し」と言うだけでこんなにかっこいい。言葉の魔力である。句集『うつろふ』より。(浅川芳直)

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら
秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


企画特集

先頭に戻る