待機児童、育休取得は目標と大きな開き 村井氏4期目の公約を検証

 任期満了に伴う宮城県知事選(14日告示、31日投開票)を前に、5選を目指し立候補を表明した村井嘉浩知事(61)が4期目の出馬時に示した公約「政策集2017」を検証した。東日本大震災からの創造的復興を具現化する一方、新型コロナウイルスの影響が直撃した経済、長年の課題とされる教育や福祉分野は未達成の項目が目立つ。(宮城県政取材班)

 政策集は「復興のラストスパート」「富県みやぎの新たなステージへ」など5テーマの計約200項目で構成。このうち知事が実績として強調する重要施策や数値目標がある主要項目(表)を抜き出し、進捗(しんちょく)を確認した。

 災害公営住宅は2019年3月末までに県内21市町の計画数(1万5823戸)が全戸完成し、震災被災地の住まい確保にめどが付いた。プレハブ仮設住宅は20年4月、みなし仮設住宅は21年3月に解消した。

 創造的復興では、仙台空港(名取市、岩沼市)の運用時間延長に必要な地元同意が完了し、東北初の24時間空港を実現。仙台市宮城野区のJR仙台貨物ターミナル駅敷地に整備する広域防災拠点は、JR側の新駅整備の遅れに伴い、本格着工が23年度から26年度以降にずれ込んだ。

 重点事業では、上下水道と工業用水の20年間の運営権を民間に一括売却する「みやぎ型管理運営方式」の関連条例案が県議会で今年7月、可決された。22年度の導入に向け、企業間の引き継ぎなど準備が進んでいる。

 県内総生産は18年が9兆5123億円(名目)、19年が9兆4334億円(名目・速報)。05年の就任直後から掲げた「県内総生産10兆円」の旗は、次期総合計画(21~30年度)の開始に合わせて降ろした。

 観光客入り込み数は19年が6796万人と目標の7000万人に迫ったが、コロナの影響で20年は3945万人に激減。外国人観光客は19年、目標を前倒しで達成したが、20年は大きく落ち込んだ。

 子育て分野は厳しい数字が並ぶ。20年の合計特殊出生率は前年比0・02ポイント減の1・21。「待機児童」「男性の育児休業取得率」とともに、目標とは相当な開きがある。直近の全国学力テストと体力テストは目標に届かず、全国でも中位から下位に甘んじている。

 介護職員数は20年10月時点で3万3061人と目標値を下回った。「週休3日制」の導入など斬新なアイデアを交え、人手不足や労働環境を改善したい考え。障害者の法定雇用率は2・17%と9年連続で過去最高を更新。全国順位は34位で、前年より2位上がった。

 医療対策に「新型インフルエンザの発生に備え(中略)事前の準備を進めます」と掲げたが、コロナに効果的な事前の取り組みは見えなかった。

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る