河北抄(10/13):団地の周りを歩いていたら、例年になくド…

 団地の周りを歩いていたら、例年になくドングリがたくさん落ちていた。

 仙台市周辺では昨年、一昨年と木の実の大凶作が続き、人里でクマの目撃が増える一因になったと聞いたことがある。

 ひょっとして、今年は豊作なのだろうか。仙台森林管理署によると、現場の印象では、確かにナラ類の結実は極めて順調らしい。毎年調査しているブナも春の開花段階から豊作基調だ。ただ地域によって中身のない粃(しいな)が多くみられ、まだ豊作かどうかははっきりしないという。

 ドイツの森林管理官ペーター・ボールレーベンさんは、森の広葉樹は花を多く咲かせる年を仲間同士で相談して決めていると言う(『樹木たちの知られざる生活』)。同時に花を咲かせることで近親交配を防ぐ一方、凶作の年をつくり、木の実を食べる動物の個体数をコントロールするのだそうだ。実を多く結べば結ぶほど、木は疲弊するとも。

 クマの空腹ばかり心配しても始まらない。樹木にとっても命懸けの生存戦略だ。木々の言葉が理解できれば、人はもっと優しく賢くなれるのだろうが。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る