(91)人減つて国滅ぶ日は蚯蚓も鳴く/小原 啄葉(1921年~2020年)
秋の涼しげな草むらでは虫の音が響いていますが、蚯蚓(みみず)の声はどれでしょうか。「蚯蚓鳴く」は季語ですが、実際に鳴くことはありません。古来のおとぎ話や説話から引き継がれた現実にはない言葉が、季語にはいくつかあります。さて、人口は如実に減少していますが、この今が最後の日へと結び付くことを私たちはな…
関連リンク
- ・(90)野にわれが最も高し秋の風/奥坂 まや(1950年~)
- ・(89)イエスよりマリアは若し草の絮(わた)/大木 あまり(1941年~)
- ・(88)長靴が茸山から戻りけり/宮本 佳世乃(1974年~)
- ・(87)霧の奥より聲そして聲の主/堀田 季何(1975年~)
- ・(86)ばらばらにゐてみんなゐる大花野/中西 夕紀(1953年~)
関連タグ
最新写真特集
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。