河北春秋(10/14):紫のふくさに包まれた解散詔書。議長が読み…

 紫のふくさに包まれた解散詔書。議長が読み上げ、慣例の「万歳三唱」に移る。衆院解散の光景。議員の職を失うのに、なぜ万歳なのか。よく考えると不思議だ▼明治の帝国議会で始まったというから歴史は古い。一般的には総選挙に突入するので「士気を鼓舞する」「気合を入れる」などの意味がある。「天皇の国事行為への万歳」とか「クビになるのでやけっぱち」との説もあり由来は定かでない▼2014年には詔書が読まれている途中に自民党若手らが万歳を始めるフライングがあった。朗読を終えた伊吹文明議長が「万歳はここでやってください」と語り2度目の万歳。このためか4年前の解散は大島理森議長が読み終え少し間が空いての万歳三唱だった▼きょう衆院は4年ぶりの解散。政界を引退する大島議長が詔書を読み上げる。いつもと勝手が違うのは、コロナ下である。感染防止の観点から、万歳三唱はどうなるか分からないという。「無言の万歳」や「拍手だけ」なども取り沙汰されているようだ▼解散後は事実上の選挙戦。投開票までの期間は17日間で戦後最も短い。支持率が上向いた「今のうちに」という新政権の算段が透けて見える。求められるのは中身の濃い政策論争。議席に戻ることを目指す方々は粛として「万歳」を。(2021・10・14)

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