<アングル宮城>大崎・宮城県古川農業試験場 水稲開発挑み100年

<耐冷>冷たい地下水を循環させて稲が冷害に耐えられるかどうかを調べる「耐冷性検定圃場」。水温は18.5~19度に設定する
<保存>ひときわ背が高くもみ殻が紫色を帯びるブータンの稲。冷害に強い遺伝子を持つため種子を保存する
<交配>交配作業をする木皿正人研究員。気温と日照時間を調節できる交配室では、100種類以上の稲を交配させる
<選別>場内の水田や畑は計18.8ヘクタール。奥の林の中では風通しを悪くし、いもち病に耐えられる稲を試験栽培する
<記録>91年の生育状況や収量を記録した「観察野帳」。この年、冷害に強くて味が良い東北143号が「ひとめぼれ」としてデビューした

 ササニシキ、ひとめぼれ、だて正夢からその先へ。大崎市の宮城県古川農業試験場は水稲の品種育成で全国屈指の実績を持ち、今年で100周年を迎えた。

 1921年、県立農事試験場(旧岩沼町)の分場として現在の大崎市古川諏訪に設けたのが始まり。面積当たりの収量が多い水稲の品種開発などに取り組んだ。80年の大冷害をきっかけに冷害やいもち病に強い品種を追求。味の良さを重点に置くなど時代のニーズに応えてきた。

 99年、古川西部の現在地に移り、敷地50ヘクタールに試験用の水田や研究施設がある。転作作物の大豆、麦の栽培技術も研究する傍ら、農業者の高齢化や災害多発を受けて情報通信技術(ICT)を使ったスマート農業、田んぼダムなどにも研究の幅を広げる。(大崎総局・喜田浩一)

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