(95)月天心貧しき町を通りけり/与謝 蕪村(1716~1784年)
この句は、寝静まった貧しい町の上を、月が照らしながらゆっくりと移っていく景と思い込んでいた。あるとき、通っているのは蕪村自身ではないかと考えた。「月天心」で切るとそう読める。主体が月か人かの違いであ…
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