河北抄(10/19):幕臣にして実業家。渋沢栄一は七十七銀行創…

 幕臣にして実業家。渋沢栄一は七十七銀行創業に関わるなど東北経済にも大きな影響を与えた。日本資本主義の父とも呼ばれる渋沢は論語の研究、実践者としての顔も持っていた。

 門戸開放主義の渋沢は面会依頼を断らなかったという。常に先入観抜きで来訪者と向き合う。「行為の善悪を視(み)る」「動機を観(み)きわめる」「何に満足しているかを察知する」。人物評価の根底には、孔子が説いた「視・観・察」があった。

 相手が幕末の偉人でも渋沢の評は遠慮がない。組織の命運は取り仕切る人物で決まる。厳しい現実を知るからこそ他人にも「規範と規準」を求めた。

 衆院選が公示された。渋沢の境地には至らなくとも、有権者にも候補者を見定める眼力が求められる。国の未来を左右する選択だ。「投票先がない」などと嘆いてばかりはいられない。

 果たして巧言令色か剛毅木訥(ごうきぼくとつ)か。近年は会員制交流サイト(SNS)などで候補者の人物像や政治姿勢を探ることもできる。百家争鳴の選挙期間は12日。それぞれが「視・観・察」に挑んでみては。

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