(96)こう(ママ)ろぎや夜は明(あけ)てある壁のすき/上田 秋成(1734~1809年)
壁が少し崩れている。でもコオロギどん、これはお前さんの音を聞くために開けておいたのだよ。負け惜しみと言えば負け惜しみだが、開き直りと風雅の心は表裏一体なのだ。作者は『雨月物語』で有名な上田秋成。俳号…
関連リンク
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- ・(91)人減つて国滅ぶ日は蚯蚓も鳴く/小原 啄葉(1921年~2020年)