河北抄(10/20):「明かりは日々輝きを増している」。先月2…

 「明かりは日々輝きを増している」。先月28日、菅義偉首相は退任前の記者会見でそう述べた。

 批判を浴びた「(新型コロナウイルス対応に)明かりが見え始めている」との発言を踏まえたもの。ワクチン接種の効果を「誇らしい」とも語った。

 確かに、ワクチンのおかげもあって新規感染者数は減少した。多くの国民が我慢強く感染予防を続けたことも大きい。

 一方で、満足な治療を受けられずに自宅で亡くなった方が数多くいたことを忘れてはならない。ワクチン接種の開始がもう少し早ければ、救えた命はあったはずなのに。

 きのう公示された衆院選で、各党はコロナ対策の強化や社会経済活動の立て直しを訴える。もちろん大事なことだが、これまでの対策の反省や検証をないがしろにしてはいないか。

 軽症で済んだにもかかわらず、後遺症に苦しむ人もいる。明かりの背後に広がる影にも目を凝らし、声をすくい取り、手を差し伸べる。それも政治の果たすべき役割ではないだろうか。

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