(97)友の子に友の匂ひや梨しやりり/野口 る理(1986年~)

 学生からの付き合いでも、お互いに年月は流れ、友のもとには友に似た新しい命が誕生しています。その子に向ける親としての笑顔も、慈愛の深さも、友人の新しい面として私の目に映るでしょう。その新鮮さは、時に友人との距離に思えるかもしれません。しかし、子どもの特有の匂い、ミルクや日なたの土埃(ぼこり)の匂い、その中に友と同じ匂いがありました。しやりり、という梨をかじる音は、それをうれしく、すがすがしく感じているように思います。句集『しやりり』より。
(及川真梨子)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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