青森2区、因縁の「八戸戦争」が再燃 大島氏VS田名部氏

 自民党の大島理森前衆院議長が引退した青森2区で、因縁の「八戸戦争」が新たな形で再燃している。大島氏と立憲民主党の田名部匡代参院議員は過去6回の衆院選で直接対決し、保守勢力を二分する戦いを繰り広げてきた。2人は今回、それぞれ候補者擁立の中心的役割を担い、選挙戦でも前面に立って激しい火花を散らしている。

神田候補(右)の応援でマイクを握る大島氏=19日、十和田市内

大島氏、自身の後援会をフル回転

 「国政に立たせてもらった37年間、ご支援や激励、ご指導いただいた」

 19日夕、八戸市内であった自民新人神田潤一候補(51)の街頭演説。議長在任最長を記録した大島氏が切り出すと、さながら引退セレモニーのような雰囲気に包まれた。さらに続ける。「私を育てた皆さんの力を神田さんに与えてほしい」

 背筋を伸ばし隣に立つ神田候補は「大島さんが築いた古里との信頼、絆を途切れさせない。たすきをつなぎ、新しい時代をつくる」と後継をアピールした。

 大島氏は陣営の総合選対本部長として指揮を執る。地域に張り巡らせた自身の後援会は当面存続させ、フル回転させる。公示から数日間、神田候補に付き添って市町村を一巡し「大島の選挙」を印象付けた。

 神田候補も政策を語るより、大島氏に絡めた話題に時間を割く。陣営幹部は「おんぶに抱っこで構わない。引退の節目に泥を塗ることがあってはならない。大島氏の名があってこそ組織がまとまる」と話す。

高畑候補(左)の応援に駆け付けた田名部氏=19日、八戸市内

田名部氏、父から続く支持者が奔走

 自前の支持基盤を持たない点では、立民新人高畑紀子候補(58)も同じ。後ろ盾になるのが八戸市で根強い人気を誇る田名部氏だ。「田名部党」とも呼ばれ、元農相の父匡省氏の時代から連綿と続く支持者たちが高畑候補を売り込む。

 「選択肢を示そうと立ち上がってくれた高畑さんと一緒に、この国の政治を変えてほしい」

 田名部氏は19日午後、市中心部を回っていた高畑候補に駆け付け、結束を演出してみせた。この日の第一声で高畑候補は「生活者の目線で国政に声を届ける」と熱弁を振るった。「匡代さんゆかりの八戸で、選挙戦をスタートさせる。私にもご支援いただけると心強い」と、田名部党への呼び掛けも忘れなかった。

 ただ田名部氏は来夏の参院改選を控え、2区だけに入り浸るわけにいかない事情を抱える。県内の他の立民候補はもちろん、全国からも数多く応援依頼の声が掛かる。陣営幹部は「少し絞ってもらえれば」と気をもむ。

 小選挙区制が導入された1996年の衆院選以降、旧青森3区で大島氏と田名部親子は7回激突し、議席を争った。2016年に田名部氏が参院にくら替えしたのに続き、大島氏が引退。八戸戦争は終結を迎えるかにみえたが、その気配は今のところない。

 青森2区では、共産党新人の田端深雪候補(64)も党の政策を訴えている。

【青森2区立候補者】
神田 潤一 51歳 自新(公推)
高畑 紀子 58歳 立新 
田端 深雪 64歳 共新 

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