(100)軍艦とおでんとにある喫水線/坪内 稔典(1944年~)

 鍋や屋台の区切りの中にぷかぷか浮くおでん、一緒に並ぶのは軍艦です。存在する場所も印象も違いますが、二つには同じ喫水線があるといいます。喫水線とは船体が水面と接しているラインのこと。おでんに見いだせば食材のスケールが一気に大きくなります。戦争のための軍艦と日常をほっこり温めるおでん。二つはこの句で影響し合い距離を縮めていきます。それは皮肉とも静かに迫る戦の予感とも、読む人にとっては受け取れるでしょう。句集『ヤツとオレ』より。(及川真梨子)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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