<アングル宮城>サン・ファン号解体へ 30年 変わらぬ威容

<鎮座>月明かりに照らされるサン・ファン・バウティスタ号。太平洋に向かって鎮座するその姿は往時をしのばせる=9月13日、石巻市
<再現>航海中の様子を再現した船内。支倉常長(左から3人目)は言葉も習慣も異なる宣教師(右)らと海を渡った
<懐古>長年船の管理を担当してきた相沢孝行さん(74)。朽ちた階段を見つめ、「デッキでは家族連れらの歓声が響き渡っていた」と懐かしそうに振り返った
<刻印>「四ノ右六、四ノ右七…」。船内の床板には、建造時に部材の順番を刻んだと思われる文字が鮮明に残る
<優雅>1993年10月9日の完工式では、帆を広げた優雅な姿に詰め掛けた大勢の見物客が酔いしれた=石巻市の石巻漁港西港

 1613年10月28日に石巻市の月浦を出帆した慶長遣欧使節船「サン・ファン・バウティスタ号」。1993年に復元船としてよみがえったが、老朽化が進んだために本年度中の解体が決まり、雄姿を見られる時間は限られる。

 サン・ファン号は研究者たちが当時の文献や資料を読み解いて設計し、宮城の船大工らが力を結集して建造。地元の木材がふんだんに使われた。2011年の東日本大震災では津波にも耐えた。

 船が係留されている宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館、石巻市)の浜田直嗣館長(81)は「復元してから約30年間、伊達政宗や支倉常長らの偉業を伝える役割を果たしてくれた。世界に誇れる船だ」とたたえた。
(写真映像部・山本武志)

[サン・ファン・バウティスタ号]伊達政宗の命を受けて建造された洋式帆船。支倉常長ら慶長遣欧使節団が乗り、太平洋を渡った。復元船は木造で全長55.35メートル、総トン数は約500トン。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら
アングル

「アングル」は、四季折々の風物詩や人々の表情、地域の伝統行事、豊かな自然などにカメラを向けて、東北の魅力を再発見します。

企画特集

先頭に戻る