河北抄(10/25):「一辺倒」とでも言えばいいのに、わざわざ…

 「一辺倒」とでも言えばいいのに、わざわざ「一本足打法」と言う。この秋、政治家の発言に多く登場している。

 「菅政権はワクチン一本足打法」。野党が批判していたかと思えば、今は岸田文雄首相が「再生エネ一本足打法では安定供給が危うい」などと言っている。

 殊更に「不安定さ」「頼りなさ」を印象づけようとする意図が透けて見え、どうも感じが良くない。

 往年の野球ファンならご存じだろう。王貞治さんの「一本足」がいかに強靱(きょうじん)だったか。右脚を上げた状態で子どもがしがみついても微動だにしなかった。

 天井からつり下げた紙を真剣で一刀両断-。一本足打法を完成させた特訓の逸話には、胸を熱くした人も多いはず。

 大きな体重移動で強い打球、遠くまで飛ぶ打球を放つ。言うまでもなく、一本足打法の狙いはこれに尽きる。

 さて衆院選は、与野党とも「分配」一本足打法のまま終盤に突入しそうだ。有権者の心に届く、力強い訴えはどれほどあったか。凡打が多いと感じるようなら、ぜひ構えから見直してほしい。

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