紙媒体は響かない? デザイン映えると好感 選挙公報を読み比べた

<選挙に行こうZ!!>Z世代と考える低投票率(4)

 選挙期間に入ると、白黒で印刷されたざら紙のチラシがポストに届く。候補者がプロフィルや公約を書き込む選挙公報。インターネットが広く普及をし始めた1990年代中盤以降に生まれ育ち、スマートフォンを使いこなす「Z世代」が各候補者の選挙公報を読み比べた。
(編集局コンテンツセンター)

選挙公報を読み比べる桂さん(右)と蜂谷さん=いずれも10月下旬、河北新報社

見るのも触るのも初めて

 大学生有志の「選挙に行こうZ!!」メンバー、桂樹生(みきせ)さん(22)=宮城大3年=と蜂谷和輝さん(21)=同4年=が、ともに31日に投開票される衆院選と宮城県知事選の選挙公報を手に取った。

 選挙公報は見るのも触るのも初めての桂さん。「同世代はそもそも紙媒体になじみがない。このスタイルでは響かないのでは」と率直に語る。

 一方、蜂谷さんは「新聞よりさらに字が細かい候補者も複数いる」と指摘した上で「読みやすいよう工夫がなされ、デザインがいい候補者は好感が持てる」と話した。

 選挙公報は公選法の施行規則と県選管の告示で体裁が決まっている。各候補者のスペースは衆院選も知事選も新聞1ページの4分の1の大きさ。ともに写真と氏名欄以外は比較的自由に書き込むことができる。

 「誰が配るのか?」「どんな小さな選挙でも配られているのか?」。メンバーからは素朴な疑問が次々に上がった。

 衆院選と知事選では県選管が公選法に基づき、県内の各市区長村選管に必要部数をまとめて渡し、投開票日の2日前までに全世帯に届くよう求めた。このうち仙台市選管は、ポスティング業者に全戸への配布を委託。ほかに各区役所や総合支所、期日前投票所を設けたアエルにも置いているという。

 県条例で県議選、仙台市も条例で市長選・市議選を選挙公報の配布対象としている。中には選挙公報を配る条例を設けていない市町村もある。

「働く世代に票投じたい」

 選挙公報の内容にも注文が付いた。「働く世代に票を投じたい」と語る蜂谷さんは候補者の年齢が気になって確認したが、選挙公報を入手した衆院選宮城1~3区と知事選の計12人のうち明記していたのは5人にとどまった。

 桂さんはレイアウトに着目。政策を箇条書きした上で詳しい説明を付けた候補者を「政治家として取り組みたいことが一目瞭然で分かる」と評価した。

 衆院選比例代表東北ブロックの選挙公報では「掲載枠の大きさが政党によって違うのはなぜ?」との質問もあった。大きさは比例代表名簿の登載人数によるが、蜂谷さんは「政党を選ぶ選挙なのに、登載人数を絞り込んだ政党に不利。不公平ではないか」と批判した。

桂さん「情報量が多すぎる」

 選挙公報が自宅に届くものだとは知らなかった。もしかしたら、他のチラシなどと一緒に読まずに捨てていたのかもしれない。

 最近、ユーチューブ(動画投稿サイト)やSNS(会員制交流サイト)で投票を呼び掛ける広告をよく見掛ける。こうした広告を見て「じゃぁ、選挙に行ってみようか」と思いついた若者にとって、公報は情報量が多すぎる。

 公平性を保つといった課題はあるものの、争点を簡単に比較できる媒体を用意してほしい。情報が手に届きやすければ関心を持つ若者が増えると思う。
(宮城大3年・桂樹生)

蜂谷さん「もっと早く配って」

 選挙公報は選挙権を得て間もない頃、親から「投票に行くなら読みなさい」と渡された記憶がある。候補のビラやホームページに書いてある内容でも、さまざまな候補者の主張を見比べることができるのは公報の強みだ。

 だからこそ、もっと早く配ってほしい。理想は期日前投票が始まる公示や告示翌日だろう。今回「混まないうちに投票しよう」と思ったら、まだ届いていなかった。

 日程的に宅配が間に合わないとしたら、せめて主要な駅や投票所に置いてほしい。そうすれば、より多くの人の手に渡るのではないだろうか。
(宮城大4年・蜂谷和輝)

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