「料亭クーポン」山形県が発行へ お座敷文化の維持図る

市が公園として整備することを決めた千歳館=山形市七日町4丁目

 山形県は、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境が続く県内の料亭や和風料理店の緊急支援に乗り出す。関連事業費5300万円を本年度一般会計9月補正予算に計上し、限定のクーポン券の発行や独自の補助金を創設。明治以来続く山形の料亭文化の危機に対応し、感染収束後の再生につなげたい考えだ。

要件は大広間や日本庭園

 料亭クーポン事業は、和風会席料理を提供し、店内に12畳以上の和室の大広間がある料亭など約100店が対象で、計20万枚を発行する。1枚で500円ごとに2割引きとなるクーポンを販売し、1人当たり一度に最大10枚(割引額1000円)利用できる。参加店を11月12日まで募る。利用者は当面、県内在住者に限り、利用期間は同19日~来年2月末。

 補助金は、対象がおおむね40畳以上の和室の大広間や日本庭園を有するといった要件を満たす料亭や大規模な料理店で、県は約30店を想定。今年4月以降に実施した施設の維持管理やバリアフリー環境の整備、集客用チラシ作りなどの事業費を100万円を上限に支援する。

コロナ禍越えて次代へ

 県内では山形市で複数の老舗が営業し、同市の「やまがた舞子」や酒田市の「酒田舞妓(まいこ)」がお座敷文化の継承活動を続ける。しかし近年は地方経済の停滞などで閉店が相次ぎ、コロナの影響で1876(明治9)年創業の千歳館(山形市)も9月末で休業。敷地を山形市が買い取って公園として整備することが決まり、145年の営業を終えた。

 県観光復活戦略課の担当者は「山形の伝統である料亭文化を、コロナ禍を乗り越えて次代に伝え続けられるように支えたい」と意図を説明。88(明治21)年創業の亀松閣(山形市)のおかみ笹原史恵さん(56)は「コロナ以前より売り上げが6割減り、庭園の整備など『料亭らしさ』を維持する費用が大変だった。文化を残すため応援してもらい、頑張る力になる」と期待を寄せる。

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