過半数じゃ足りないの? 衆院「安定多数」「絶対安定多数」とは

 衆院選の情勢を巡るニュースで「安定多数」という表現を目にしたり耳にしたりする機会が多い。「衆院は多数決で賛否を決めるから半数を少しでも上回ればいいのでは?」。そんな疑問を抱いた記者が改めて調べてみた。
(編集局コンテンツセンター・藤沢和久)

 衆院は定数が465なので過半数は233。法案や予算案を通過させたり首相を指名したりするためには出席議員の半数以上の賛成が必要で、過半数は与党にとって「最低ライン」と言える。

 ほかに、議員の除名や参院で否決された法案の再可決には出席者の3分の2以上、憲法改正の発議には総議員の3分の2以上の賛成が必要となる。

17ある常任委員会が鍵

 それでは、安定多数はどんな状態を指すのか。衆院には全議員が出席する本会議に加え、予算、内閣、総務など17の常任委員会が設けられている。法案などはまず常任委で審議し、本会議にかけられる。常任委では委員長は採決に加わらないため、過半数ぎりぎりだと委員長を出した側が少数になってしまう。

 このため全ての常任委で委員長ポストを独占し、さらに委員の半数を確保した状態が「安定多数」というわけだ。

 安定多数なら賛成と反対が同数になった場合、委員長に採決が委ねられるため与党の思い通り賛否を決められる。全ての常任委で委員が過半数を確保していれば委員長裁決に頼らずに済むため、この状態を「絶対安定多数」という。

 このため安定多数は244、絶対安定多数は261となる。31日に投開票される今回の衆院選で、自民党の公示前議席は276。単独で絶対安定多数を確保していた。

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