<NPOの杜>苦楽共有 コロナ下こそ/太白区育児サークル応援隊たい子さん

感染症対策で距離を保ち、情報交換する子育てサークルのリーダーたち=2020年11月、仙台市太白区役所
現役ママによる育児本。仙台市宮城野区のみやぎNPOプラザ内ショップ「ママンココン」で販売中

 子育て中のママが運営する「育児サークル」が、新型コロナウイルス禍もあって存続の危機にさらされています。仙台市太白区でサークルをサポートする団体「太白区育児サークル応援隊たい子さん」。このところ「サークルを閉じたい。メンバーが抜けて続けられない」という声が多く寄せられているといいます。応援隊のメンバーは「サークルは地域福祉にもつながっていく。応援してほしい」と呼び掛けます。

 核家族化が進行した1980年代、子育てに孤独を感じる人が多いことを問題視した全国の保健師が呼び掛け、各地に「育児サークル」がつくられました。0歳から幼稚園に入る頃までの親子が週1回など定期的に集い、一緒に子育てをします。子どもの成長とともにリーダーを次の世代に引き継ぎ、40年以上続くサークルもあります。

 仙台市では子育て支援施設「のびすく」や保育園の支援センターなど子育て環境整備が進んだこと、出産後早期に働き始めるママが増えたこともあり、サークルに入っても2年ほどでやめてしまう人が多いといいます。メンバーの入れ替わりが早いと慣れる前にさまざまな役割をこなさざるを得ず、負担が重荷になってしまいます。

 さらに新型コロナ禍がサークル活動の逆風になっています。応援隊によると、コロナ禍のこの2年で、長年続いた老舗を含め太白区の4サークルが解散に追い込まれました。外出不安があるほか、密を避けて見学受け入れを断ることがあり、サークル内の代替わりも進まなくなっています。

 「育児サークルはもう時代遅れなのだろうか」と悩む応援隊事務局長の鈴木有希子さん。一方でママたちが利用者の立場にとどまる児童館などの施設と比べ、サークルは自ら運営し「苦楽」を他のママと共有することに意義があると信じてもいます。

 サークル活動で生き生きしたママの姿を子どもが目にすることも大切でしょう。子どもにとって親以外の大人と接し、学ぶ機会にもなります。

 隊長の二階堂江里さんは、育児サークルがなくなるのは地域の損失と考えます。転勤族が多い太白区のような場所で、子育て仲間がいるのは心強いもの。互いの姿を見て「大変なのは自分だけじゃない」と勇気づけられ、その人らしい子育てができるといいます。

 「楽しいだけではない、面倒なことも含めた経験は人を育てる。やがて地域のキーパーソンに育ち、地域全体の福祉につながる。地域で活動するサークルを温かく見守ってほしい」と二階堂さん。

 「時代が変わっても、子育ての困り事は不思議なほど変わらない。現役ママによる『横から目線』の育児ハウツー本を発刊した。次世代に伝えながら今しかない子育て期間を楽しんでほしい」と多くのママがサークルに参加するのを期待しています。(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 小野寺真美)

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