社説(11/5):立民・枝野代表が辞任/再生へ 厳しく敗因検証を

 立憲民主党の枝野幸男代表が、衆院選敗北の責任を取って辞任を表明した。政権交代を掲げ、5野党で共闘して臨みながら、結果は公示前の110議席から14議席を減らす大敗となったためだ。

 後手に回ったコロナ対策や後を絶たない「政治とカネ」を巡る問題、森友学園問題をはじめとする過去の政権による「負の遺産」など、自民党に対する国民の不満は大きかったはずだが、その受け皿となることができなかった。

 野党第1党でありながら、政党としての支持が問われる比例代表で23議席も減らしたことは、とりわけ深刻に受け止めなくてはならない。

 来夏には参院選が控える。党内に限らず、枝野氏らが主導した野党共闘の在り方を含めて敗因を検証し、早急に態勢を立て直す必要がある。

 立民は9月に「市民連合」の提言を受け、共産、れいわ新選組、社民との4野党で20項目の共通政策を確認した。立民、共産両党は政権交代後、共産による「限定的な閣外協力」でも合意した。

 国民民主党を加えた5野党は289小選挙区のうち213で候補を一本化。立民は公示前の48議席から9議席上積みした。野党共闘は一定の成果を上げたと言えるだろう。

 東北23選挙区には17人を擁立し、7議席を獲得。福島県の4選挙区では自民との一騎打ちの構図をつくり、立民が3勝と勝ち越している。

 厳しい検証と分析が求められるのは、公示前から23議席も減らした比例代表での戦い方と、そこに示された民意だろう。

 共同通信社の出口調査によると、無党派層のうち立民に投票した人は24%で、2017年の前回衆院選に比べ6ポイント低下した。

 各選挙区で共産の組織票が1万~2万票程度見込まれるとは言っても、安全保障など国の根幹に関わる問題で立場が異なる共産と連携を強めたことは、これまで立民を支持してきた層にも、イデオロギー的な警戒感や「選挙目当て」といった不信感を抱かせた。

 「限定的な閣外協力」との表現は、一線を画す姿勢を示す狙いだったのだろうが、与党からの攻撃に加え、支持団体である連合の強い反発を招き、逆効果だった。

 消費税、所得税の時限的な減税などを打ち出した経済対策も財源論の裏付けを欠き、最後まで急ごしらえの印象が否めなかった。

 市民連合を介して野党間で共通政策の枠組みを作るなど自民との違いを際立たせる「演出」にいかに腐心しても、実現可能性への疑問が解消されない限り、幅広い支持は集められないことがはっきりしたのではなかろうか。

 立民は10日召集の特別国会閉会後に後任を選ぶ代表選を行う。政治状況に緊張感を取り戻すため、立民が担うべき役割は重い。党再生に向けた建設的な議論を期待したい。

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