東北福祉大「鉄道ステーション」閉館へ 関係者、資料の散逸懸念

 東北福祉大がJR仙山線東北福祉大前駅の隣に2007年開設した「鉄道交流ステーション」(仙台市青葉区国見)を、来年3月末限りで閉館する方針を固めたことが5日、分かった。東北の発展に貢献した鉄道の歴史を伝える文献や写真、模型を収蔵し、地域コミュニティーの拠点としての役割も担った。閉館後の扱いは未定で、関係者は「貴重な史料が散逸してしまうのではないか」と懸念する。

交流電化に関する史料や模型が保管されている東北福祉大鉄道交流ステーション=2014年8月、仙台市青葉区国見1丁目

 今年5月下旬、学内外の委員で構成するステーション運営会議の席上、大学側の意向が口頭でメンバーに伝えられた。大学側は学生の利用を念頭に改装する方針を示し、史料や鉄道模型など収蔵品を片付けるよう求めたという。

 同大PR課の担当者は取材に対し「今後については何も決まっていない。現段階で話せることはない」と述べた。

 ステーションは、東北福祉大前駅に隣接する同大ステーションキャンパス館の3階部分にある。改札口に直結した玄関を入ってすぐの展示室(約50平方メートル)と模型館「TFUスカイトレイン」(約25平方メートル)から成る。

 東北福祉大前駅は同大が建設費を負担して建設が進められた請願駅で、キャンパス新築に合わせて2007年に開業した。周辺の開発許可に当たり市などから地域との連携を深めるよう求められ、仙山圏の交流拠点としてステーションを開設した。

 仙山線では新幹線や東北線に用いられている交流電化方式の試験が全国で初めて実施されたことから、関連の技術資料や記録、証言を数多く収蔵。高齢となった元技術者や元機関士への聞き取り調査にも取り組んでいた。

 他界した愛好家から大型鉄道模型「HOゲージ」200両超の寄贈を受け、13年にはTFUスカイトレインを設けていた。ステーション運営には市民団体「みちのく鉄道応援団」(仙台市)が協力してきた。新型コロナウイルス感染拡大に伴い20年4月から臨時休館している。

 応援団の代表幹事を務める佐藤茂さん(64)は「交流電化の史料を重点的、体系的に保管している施設は他に例を見ない。愛好家らから『大学であれば必ず未来に受け継いでくれる』と期待され寄贈された史料でもある。引き続き保管、展示してほしい」と話す。

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