(117)蟷螂の枯れたる腹のやはらかに/夏井 いつき(1957年~)
子どもの頃、蟷螂(かまきり)を飼っていた。あの目、あの鎌、愛らしい昆虫である。餌になる虫のいない冬場は魚の切り身を小さく切り、ピンセットで食わせた。年も越し、蟷螂としては大長寿だった。目も見えなくな…
関連リンク
- ・(116)透きとほる熟柿よ墓は奈良全土/澁谷 道(1926年~)
- ・(115)二人とも指輪してない冬の旅/大木 雪香(1973年~)
- ・(114)食虫植物冬の日に口開けて/上野 犀行(1972年~)
- ・(113)火の柱の火の壁の松明あかし/金子 兜太(1919~2018年)
- ・(112)こなごなの落葉われともわれらとも/津高 里永子(1956年~)