滝中、早川に続く先発構築を 検証・石井楽天(4)完

初の2桁勝利となる10勝目を挙げた滝中。来季は更なる飛躍が期待される=10月23日、楽天生命パーク宮城

4本柱の物足りなさ否めず

 10月20日のオリックス戦(京セラドーム大阪)。則本昂が六回、4番杉本に投げた直球がリーグ戦で自己最速の158キロを計測。ここ2年はけがの影響で不振だったエースが完全復活を印象づけた。

 先発陣は米大リーグから復帰した田中将が加わり、則本昂、岸、涌井と豪華な顔ぶれが並んだ。その中から石井監督が今季の「キーマン」に挙げたのが則本昂だった。

 右腕は期待に応えた。2019、20年は5勝止まりだったが、チーム最多の11勝を挙げた。今季は直球の威力を取り戻すことに力を注いだ。152奪三振のうち3割近くが見逃しで例年を上回る。「真っすぐをコーナーに精度良く投げ切れたのが大きい」と振り返った。

 岸は交流戦期間に調子を落としたが、9勝とまずまずの結果を残した。田中将は打線の援護に恵まれず4勝止まり。開幕投手の涌井は3、4月の月間MVPに選ばれ、上々の滑り出しだったものの、夏場に不調で長期離脱して6勝に終わった。則本昂を含む4人で30勝32敗と黒星が先行した。昨季までに計538勝(田中将の米成績含む)を挙げた実績からすると、物足りなさは否めない。

「危機感すごく持っている」

 2年目の滝中とドラフト1位ルーキーの早川が戦力になったのは光明だった。滝中は自身初の2桁勝利となる10勝を挙げた。今季初登板の4月1日のロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)は二回途中10失点でKO。どん底からの出発だったが、その後は大崩れする姿をほとんど見せることはなく、石井監督に「安定の滝中」と言わしめた。

 早川は先発ローテ-ションで唯一の左腕として9勝をマーク。前半戦だけで7勝を重ね、チームを勢いづけた。6月下旬に疲労の蓄積で出場選手登録を外れたものの、後半戦は離脱することなく乗り切った。

 先発の防御率はリーグ4位の3・75で、昨季の4・26から改善した。クオリティースタート(QS、6回以上で自責点3以下)の達成率は昨季の43・3%を上回る50・3%を記録し、一定の立て直しはできたといえる。

 ただ、36歳の岸を筆頭に涌井、田中将、則本昂はいずれも30代。滝中、早川以外に4本柱を脅かす若手がいなかった。「2、3年後に向けて構築していかないといけないという危機感はすごく持っている」と指揮官。さらなる強化には新顔の台頭が求められる。

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