(119)日当たりて金色(こんじき)となる冬の蠅(はえ)/抜井 諒一(1982年~)
作者は句集のあとがきに「例えば、いま目の前を飛んでいる一匹の蠅が、自分の人生を変える存在になるかもしれない。俳句を作っていると、つくづくそんなことを思う。」と書く。忌み嫌われる蠅だが、冬の清浄な光の…
関連リンク
- ・(118)暮早し昼読む本と夜の本/柘植 史子(1952年~)
- ・(117)蟷螂の枯れたる腹のやはらかに/夏井 いつき(1957年~)
- ・(116)透きとほる熟柿よ墓は奈良全土/澁谷 道(1926年~)
- ・(115)二人とも指輪してない冬の旅/大木 雪香(1973年~)
- ・(114)食虫植物冬の日に口開けて/上野 犀行(1972年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。