(120)君に遇ふ牡鹿の山の眠る下/河東 碧梧桐(1873~1937年)
作者は旧制二高に在籍した。今の電力ホール(仙台市)近くに下宿していたようだ。掲句は「山眠る」が季語。牡鹿という地名がなんとも素朴で、清らかな関係を思わせる。だが、無粋を承知で種明かしすると実はロマン…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。