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(122)霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び/加藤 楸邨(1905~1993年)

 霜の降る寒く静かな夜に、乳児の泣き声だけが響き渡る。父母がどんなにあやしても泣きやまない。考えられる原因を取り除いても、全身で泣いている。まるで生きることの根源的なかなしみを、泣くことで、はるかな何かへ向けて呼び掛けているようだ。やがて満足したように泣きやむ子をみると、わが子でありながら、別な大き…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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