(122)霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び/加藤 楸邨(1905~1993年)
霜の降る寒く静かな夜に、乳児の泣き声だけが響き渡る。父母がどんなにあやしても泣きやまない。考えられる原因を取り除いても、全身で泣いている。まるで生きることの根源的なかなしみを、泣くことで、はるかな何…
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