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【特集】犬と一緒にワンダフルタイム Vol.5 インタビュー編

犬は伴侶 困ったらプロに相談/ 仙台市獣医師会長 小野裕之さん

小野裕之会長

 縁あって出合った犬たち。新型コロナウイルス下に癒やしを求めて飼い始めた人が多いと聞くが、収束後も最期まで寄り添う覚悟が問われる。仙台市獣医師会長の小野裕之さん(小野動物病院院長)に心得をうかがった。

 「今は犬を『ペット(愛玩動物)』ではなく、共に生きる『コンパニオンアニマル(伴侶動物)』と呼びます」と小野さん。「相性もあり、飼う前から性質を勉強して理解することが大事です」

 実はここ数年、犬全体の飼育頭数は減少傾向。だが、業界団体のペットフード協会(東京)によると、コロナ下の2020年に全国で新たに飼育された犬は46万2000匹で、前年から14%増えた。フードやグッズなど関連業界も好調で、番犬として外飼いした時代ははるか昔。ただかわいがるだけでなく、幸せに生きるための相手となった。

 その付き合い方の肝となるのがしつけ。「初めて飼う人は特に子犬の頃の好き勝手を許してしまいがちで、後から問題行動に発展してしまう」 
 例えば在宅時間が長い今、「無駄ぼえ」のストレス度は高い。集合住宅で鳴き声が響くと騒音問題にもなりかねない。だが、「犬がほえるのは人への合図で、彼らには仕事。『ダメ』も言い方によっては構っていることになる」。問題行動の多くは、人が性質と逆効果の対応をしているのが原因だという。

 困ったときはドッグトレーナーなどプロの手を借りるのがお勧め。こつを知り、家族みんなでしつけの仕方やルールを統一する。人間側が根気や寛容さを持ち、しつけのできる人になろう。「愛犬の誕生日は定期健診と決めて、疑問があれば健診時に獣医にも聞いてほしい」

 このご時世の不安の一つ、新型コロナウイルス感染症で入院や宿泊療養が決まり、預け先に困ったときはどうしたらいいか。「かかりつけ獣医やペットホテルに相談を」と小野さん。市動物管理センター「アニパル仙台」が預け先を紹介することもある。

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Written by 関口幸希子
(河北ウイークリーせんだい 2021年11月18日号掲載)

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