(133)影を捨て冬夕焼へ鳥たちは/太田 うさぎ(1963年~)
影を捨てるとはどんな状況でしょうか。光に照らされていれば必ず影はつきまとい、私たちから離れることはありません。影がなくなるのは、闇の中にいるときか、句のように大きな光に向かっていくときです。鳥の群れが夕日へと飛んでいきます。余すところなく照らされる様子は、実に立体的な描写です。冬の夕焼けはほかの季…
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- ・(132)冬蝶となりて遊びをもう少し/手塚 美佐(1934年~)
- ・(131)降る雪やここに酒売る灯をかかげ/鈴木 真砂女(1906~2003年)
- ・(130)道が野にひらけて兎いま光/神野 紗希(1983年~)
- ・(129)心中のにはかに暮るる枯蓮/井上 弘美(1953年~)
- ・(128)原子炉を遮るたとえば白障子/渡辺 誠一郎(1950年~)
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。