「太陽光や風力でエネルギーを生みだし、復興を後押ししたい」。新たな発電事業者が各地で名乗りを上げ、大規模なプロジェクトの発表が相次いでいる。
特に年間を通じて強い西風が吹き付ける東北の日本海側は風力発電の国内最適地で、震災以前から先進地だった。
全国の風力発電は、2011年度末で総出力255万1570キロワットに上る。都道府県別の順位を見ると、出力で青森が1位、福島が5位、秋田が7位、風車の設置基数では青森2位、秋田4位、福島6位と東北の3県が上位を占める。
「だが、その大半は東京資本。東北は場所を貸すだけ。利益は根こそぎ東京に持って行かれ、地元には何も残らない」。秋田県内の企業や市民団体が集まり、風力発電の普及に取り組む「風の王国プロジェクト」事務局長の土方博生さん(60)はこう指摘する。
青森、秋田、福島の3県にある計390基の風車のうち約9割が県外資本だ。
こうした現状を疑問視する自治体関係者や研究者らが6月に「自然エネルギーは地域のもの」と銘打ったシンポジウム(科学技術振興機構主催)を東京で開いた。
風の王国の活動理念が紹介されると一瞬、会場がどよめいた。
「事業組織は2分の1以上を地元が所有する」
「意思決定は地元で行う」
「利益の2分の1以上は地元に分配する」
「これからの自然エネルギー開発は、以上の3原則にのっとって実施されなければならない」と、高らかに宣言された。
河北新報社の提言「地域に密着した再生可能エネルギー戦略」の鍵を握るのもこの3原則だ。
「地元組織」「地元決定」「地元利益」という風の王国の理念は震災後、秋田で急速な広がりをみせている。
能代市が地元建設業者とともに24基の風車建設に乗り出すことを決めた。大潟村は村民出資による風車2基の建設を計画中。男鹿市でも地元企業を中心とした特別目的会社(SPC)が4基を建設する。
3地域の事業をプロデュースする風の王国参与の山本久博さん(61)は「秋田県の海岸線200キロを1000基の風車で埋め尽くしたい」と壮大な夢を描く。
これと別に、ほぼ100%秋田資本によるSPC「ウエンティ・ジャパン」も設立された。青森、秋田、山形の各県で計30基の風車を建設する。
風車建設には、1基当たり5億円が必要とされる。30基なら150億円。これまでは巨額な初期投資が、地元資本の進出を阻む壁となっていた。
男鹿市のSPCとウエンティ・ジャパンには、地元の秋田銀行、北都銀行、秋田信金が出資を表明し、資本力不足を補う。地方の金融機関が再生可能エネルギー開発に直接参画するのは非常に珍しい。
再生可能エネルギー開発における3原則の意義を説く龍谷大の堀尾正靱教授(地球環境・エネルギー政策)は「地方で発電し、人口と産業が集積する首都圏へ送電する仕組みは、3・11で破綻した」と強調。「エネルギー産地に人口と産業が移動する時代にしなければならない」と訴える。
滋賀県湖南市で9月に「自然エネルギー基本条例」が施行された。条例は「地域に存在する自然エネルギーは、地域に根差した主体が、地域の発展に資するように活用する」とうたう。風の王国の提唱する3原則を明文化した全国初の条例となった。
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