ハタハタ小売価格、例年の3倍に高騰 秋田の冬の味覚が記録的不漁

例年より高値で売られているハタハタ=秋田市民市場

 秋田の冬の味覚を代表するハタハタが記録的な不漁となっている。9月に解禁された沖合の底引き網漁は、秋田県全体で漁獲量(8日現在速報値)が55・7トンにとどまり、同時期の漁獲量としては記録が残る2004年以降、最も少ない。小売りの店頭価格は一時、例年の約3倍に高騰し、消費者の買い控えを招いている。

 12年以降の沖合での漁獲量はグラフの通り。今季も6、7日に県南部でまとまった水揚げがあったものの、県全体では前年同期(134・2トン)の4割しかない。

 県水産振興センターによると、不漁の理由として(1)沖合漁の最盛期となる11月中旬以降、しけ続きでほとんど出漁できなかった(2)近年の傾向から資源量そのものが減っている-などが考えられるという。

 産卵のため沿岸に集まる魚を捕獲する「季節ハタハタ漁」は、これから最盛期を迎える。昨年より2日早い今月4日に初漁日を迎えたが、8日現在の漁獲量は3・2トンと少ない。

 同センターの中林信康資源部長は「沿岸の海水温も少しずつハタハタが生息しやすい13度以下になり、接岸の環境は整っている。資源状態や魚群動向を注視したい」と話した。

 不漁は小売りにも大きな影響を及ぼしている。

 秋田市民市場にある鮮魚店「安亀商店」の店頭には家庭用や贈答用としてハタハタが入った箱(3・0~3・5キロ)が並ぶ。

 7日は、ブリコ(卵)の入った雌の箱が最も高いもので昨年の3倍に当たる1万5000円で販売された。市内の50代女性は「スーパーを何軒か回ったが予想以上に高く、なかなか手が伸びない」と漏らした。

 足を止めて品定めする買い物客はいるが、値段を知ると立ち去る人が多いという。店主の安田昭夫さん(70)は「最盛期を迎えるはずのこの時期に1万円台は初めてのことで異常だ。高級化してしまっている」と嘆く。

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