社説(12/21):コロナ下の子どもの食/低所得層への配慮 公助でも

 保護者が食材を選んで買う経済的余裕がなくなり、バランスに配慮した食事ができなくなる子どもが世帯収入の少ない家庭で多い。

 新型コロナウイルスの感染拡大が子どもの食事に与えた影響について、国立成育医療研究センター(東京)などが今夏にまとめた報告は、気掛かりな内容だ。

 調査は昨年12月、小学5年生と中学2年生がいる全国3000世帯を対象に実施し、1551世帯(52%)から回答を得た。

 「肉か魚か卵」「野菜」の両方を1日に2回以上摂取する「バランスの取れた食事」が取れたかどうかを、緊急事態宣言前(2019年12月)、宣言中(20年4~5月)、宣言後(20年12月)に分けて聞いたところ、宣言中は世帯収入にかかわらず低下した。

 特に、4人世帯換算で年収350万円程度の低所得世帯は「取れた」と答えたのが62%にとどまり、4割近くがバランスへの配慮ができなかった。低所得世帯の3割が「食材を選んで買う経済的余裕が少なくなった」と答えた。

 一方、子どもたちの体に目を向けると、コロナ下で肥満が増加傾向にある。

 文部科学省の20年度の学校保健統計調査によると、身長別標準体重などから算出した肥満度が20%以上の「肥満傾向児」の出現率は、幼稚園と小中高校の大半の学年で前年度より増加。小6や中2などで過去最多となった。

 学校休止に伴う給食の休止や家庭での間食の増加などが理由として考えられる。さらに、アンケートを実施した国立成育医療研究センター社会医学研究部の森崎菜穂部長は「経済的な理由から、安価な炭水化物が多い食事に偏っていることも考えられる」と指摘する。

 こうした子どもたちの支えとなる子ども食堂は、コロナ下で活動が制限された。食料の戸別配布などに切り替えるなどしたものの、野菜など生鮮品を摂取できる機会は減った。フードバンクなどの活動も長期保存可能な食品が中心。対面の食事などが限られる行動制限下であっても、生鮮品が必要な家庭で得られる仕組みはできないだろうか。

 ヒントはある。学校休校時に給食食材を無駄にしないために家庭に分配したケースだ。この枠組みの中で、コロナで生産過剰になってしまった生鮮品を安価に流通させることはできないか。生産者への新商品開発の助成制度などと併せる形で、生産過剰になったものを半調理加工するなどし、子ども食堂などを通じて廉価で提供するような仕組みはどうだろう。

 円安に伴う物価高で食材は値上がりしている。新変異株による新たな感染拡大が懸念される中、18歳以下の子どもへの10万円分の給付も重要だが、必要なものが必要な形で必要な子どもに届く、行政の目配りも求められている。

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