(149)冬天や北に棲(す)むほど熱き肌/対馬 康子(1953年~)
冬天から吹き下ろす冷たい北風に吹かれて、ほっぺたが真っ赤に染まる。寒さの厳しい北国に暮らす人ほど、かえってその体が熱を発するというのは実感がある。与謝野晶子の有名な短歌に<やは肌のあつき血汐にふれも…
関連リンク
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- ・(147)さぼてんにやつと日当たる風邪のけふ/大塚 凱(1995年~)
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- ・(144)仮の世の修羅書きすすむ霜夜かな/瀬戸内 寂聴(1922~2021年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。