<いぎなり仙台/一番探すべ!>国内初の集団がん検診「宮城県対がん協会」 車で巡回、早期発見促す

検診車に搭載されたエックス線装置=宮城県対がん協会の黒川利雄記念室
協会近くの旧所在地に立つ、がん集団検診発祥の地の石碑

 「マホメットは山を呼び寄せる力があるという。しかしわれわれはマホメットではない。だから、こちらから山に出掛けていくんだ」

 宮城県対がん協会(仙台市青葉区)に残る言葉だ。1960年、エックス線装置を積んだ検診車を開発して県内各地に走らせ、全国に先駆けて胃がんの集団検診を行った初代会長黒川利雄氏(1895~1988年)が語ったとされる。

 病気の予防にお金を出すという意識が乏しい時代。健康なうちに受診する人はなく、がんが進行してから病院に来る人がほとんどだった。事態を問題視した黒川氏らが巡回検診による早期発見、早期治療の仕組みを考案。検診車が初めて向かった先は角田市だった。

 駆け出し時分に黒川氏と面識があった同協会研究局長の深尾彰さん(71)は「それ以前は胃がんで亡くなる人がとても多く、臨床医のニーズを受けて検診車ができた。創始者が先輩というのは誇らしい」と語る。

 現在、新型コロナウイルス禍で検診控えが顕在化している。同協会がん検診センター所長の加藤勝章さん(61)は「健康維持はもちろん、宮城発の灯を消さないためにも受診してほしい」と促す。(桜田賢一)

[メモ]黒川氏の功績は宮城県対がん協会の中にある記念室や、協会ホームページの動画で詳しく知ることができる。協会は市町村健診や事業所健診を手掛けている。個人でも健診を申し込むことができる。連絡先は022(263)1525。

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